カンボジアの活動紹介

●CBU(カンボジア・バプテスト連合)

私たちが派遣されているCBU、カンボジア・バプテスト連合は、設立30年目の若い団体です。カンボジア全土に300以上の教会がありますが、その多くは民家を利用した「家の教会」です(左の写真)。

CBUは地方訪問伝道、開拓伝道に力を入れています。ただ、活動の予算の多くを、外部からの支援に頼っている状況です。CBUの牧師のほとんどは、農業や養鶏をしながらの兼業牧師です。教会からの献金のみで生活している牧師は、ほとんどいません。牧師養成と訓練、支援が長年の課題です。

●CBUオフィス教会

私たちは2015年の派遣以来、CBUオフィス教会で活動を行っています。首都プノンペン中心部から南に、車で40分ほどの郊外にある、この地域で唯一の教会です。教会から歩いて数分のところに、ポルポト政権時代の処刑場「キリングフィールド」があります。

私たちの教会は、礼拝出席者の半分を子どもが占める、「子どもの教会」でもあります。礼拝では、子どもたちによる、力強い賛美の歌声が会堂いっぱいに響き渡ります。青年たちは、最近ギターやカホンが献品されたこともあり、賛美と楽器演奏に力を入れています。

●日曜学校

私たちは2018年から子どもたち、青年たちとの日曜学校(教会学校)を行っています。み言葉の学びや賛美、工作などが主な活動です。青年たちが賛美リードや紙芝居の聖書朗読を担うなど、積極的に働きを担ってくれます。

最近、子どもたちの中から12名の子どもリーダーが生まれ、礼拝中に他の子どもたちをケアしたり、特別賛美をささげたりと、活躍するようになっています。

●女性支援活動「希望の糸」(マクラメアート)

私たちは派遣以来、貧困に苦しむ女性たちを間近に見てきました。その一人、教会員のケマさん(写真左)は6人家族で、以前は縫製工場で働いていました。しかし、持病があり体が弱く、働くことができなくなってしまったケマさんは、家計に負担をかけているという思いをずっと抱え、苦しんでいました。主が私たちの祈りに応え、「マクラメアート」という手編みの手芸を示されました。

2023年1月から、週に1回、薫宣教師がケマさんに教えています。ケマさんは現在、ハートや十字架など、数種類のデザインのプラントハンガーを作ることができるようになりました。同年11月には、ケマさんの親戚であるスレイモムさん(写真中央)がミニストリーに加わり、ケマさんからマクラメアートを教わっています。

●キリング・フィールドと子どもたちの集落

教会の子どもたちのほとんどは、近くの貧しい集落に住んでいます。道路は未舗装で、トタンの簡素な家が立ち並び、その裏にはドブ川が流れる、周りの地域とは雰囲気の違う集落です。

この集落から歩いてすぐのところに「キリング・フィールド」という、ポルポト政権時代の処刑場があります。

1975年から79年までの約4年間、ポルポト政権によって100万人を超える人々が犠牲になり、ここキリング・フィールドでも多くの人々、子どもたちが殺されました。カンボジアの人々の多くは悪霊や魂の存在をリアルに信じています。

キリング・フィールド近くの地域は、地元の人々にとっては、かつて多くの人々を死に追いやった悪霊、そして亡くなった人々の霊がさまよう、できるだけ近づきたくない場所だそうです。(写真は、キリングフィールド内の慰霊塔)

●リビングフィールドの幻

私たちが主から与えられたビジョン、それは「リビングフィールド」です。リビングフィールドとは、神様の生命が豊かに育つ、「いのちの大地」です。私たちに与えられたビジョンは、この貧しい集落が、主の祝福と恵みよって、リビングフィールドへ変えられていくという希望です。

そのしるしとして、主はこの貧しい集落からまず、多くの子どもたちを教会へ導いてくださったと信じています。私たちは、キリングフィールド近くから一番近い、唯一の教会として、この集落の宣教に、仕えていきたいと祈り願っています。