
- 首都 プノンペン
- 人口 1690万人(2023年 国連人口基金)
- 面積 約18万km2 (日本の約半分)
- 距離 日本から飛行機で約6時間(現在は経由便のみ)
- 言語 クメール語(カンボジア語)
- 民族 人口の90%がカンボジア人(クメール人)
- 宗教 仏教(一部少数民族はイスラム教)
- クリスチャン率 2~3%
カンボジアの概況
カンボジアは近年目覚しい経済成長を遂げている国の一つです。1994年に45%であったカンボジアの貧困率は、経済発展が著しい都市部において大幅な改善がみられます。都市部と農村部の経済格差が広がる中、多くの貧困層が農村部で暮らしており、発展から取り残されています。また、5歳未満の子どもの死亡率や栄養不良の割合が依然として高いことも課題の一つです。
カンボジアの歴史・社会情勢
1世紀ごろに現在のカンボジア南部とベトナム南部の地域に扶南(フナン)という王国が建国されました。6世紀にはいると真臘(しんろう・チェンラ)と呼ばれるクメール人による国家が興り、これが後のクメール王朝につながるといわれています。
800年代からクメール王朝(アンコール王朝)が始まりますが、のちにタイやベトナムなど近隣国からの侵攻による暗黒時代に突入します。1800年代にはフランス領となり、第二次世界大戦中の日本軍による占領などを経て、1953年にフランスから完全独立を果たしました。
独立後も、ベトナム戦争の影響や長引く内戦に苦しみ、1970年代にはポル・ポト派(クメール・ルージュ)により知識人、富裕層など大勢が虐殺され命を失いました。
カンボジアの宗教
1~2世紀ごろの扶南(フナン)の時代に仏教が伝わったといわれており、約98%の人が上座部仏教を信仰していますが、キリスト教やイスラム教などその他の宗教を信仰している人もいます。特に4月の「クメール正月」は、定番料理のカレーを作ったり、お寺にお参りに行ったりとカンボジアの人たちがもっとも盛大に祝う行事となっています。
カンボジアが抱える問題
子どもと母親の栄養不良が見られ、乳幼児死亡の要因となっていること
保護者の乳幼児保育に関する知識不足などにより、5歳未満時死亡率が2021年時点で1000人あたり25人となっています。これは、30年前の116人より改善されてきてはいますが、まだ高い数値です。
初等教育の中途退学者が多く、中等教育への就学率が低いこと
カンボジアの義務教育は6歳~15歳までの9年間です。しかし、初等教育の未就学率は10%を超えており、中等・高等教育ではその割合はさらに高まります。修了率を見ても、初等教育では60~70%、中等教育になると30~40%にまで下がってしまいます。(世界子供白書2023)
農村部では安全な水の利用が限られており、衛生設備が不足していること
2020年時点で都市部と農村部では、最低限の安全な水や衛生設備(トイレ)の普及状況に格差が生じています。都市部では90%が安全な水を入手できますが、農村部では61%にとどまっています。(世界子供白書2023)
子どもの保護に関する制度や仕組みが不足していること
子どもに身体的・精神的な暴力をふるう両親や親族が多かったり、地域によっては障害のある子どもや孤児など弱い立場に置かれた子どもたちに対する差別があったりする一方で、行政および地域レベルで子どもを保護する仕組みが十分に整っていません。
性と生殖に関する健康と権利についての知識や理解が不足していること
女の子の早すぎる結婚(児童婚)、望まない妊娠が増加しており、特に貧困層の多い地域では、女の子や女性の栄養不良が深刻です。2019年時点で、貧血や栄養不良を患う15歳~49歳の女性の割合は49%にのぼっています。(世界子供白書2023)
「カンボジア」と「カボチャ」
「カボチャ」という言葉は、実は「カンボジア」から来ています。 かぼちゃは、天文年間(1532~55年)、ポルトガル人がカンボジアの産物として日本に伝えたことから、当初「カボチャ瓜」と呼ばれ、のちに「瓜」が落ちて「カボチャ」と呼ばれるようになったそうです。そういえば、カンボジアの地図の形は、なんとなくカボチャに似ているかも・・・

